自己紹介
笑いのチカラ講師・元氣プロデューサーの天見 心(アマミ シン)です。
企業や商工会議所などで、「笑い」を入口に、
人と人との関係づくりや心理的安全性をテーマとした研修、
健康づくりにつながるセミナーなどを行っています。
※このコラムは『心型コラム』です。
映画や日常の中にある「なんだか元氣になる感覚」を通して、人の原動力や、笑いのチカラについて、やさしく綴っています。今回は、新任マネージャーとして過ごしてきた半年に目を向けます。
「気づけば、もう半年か……」
4月にマネージャーになって、あっという間に半年。
少し慣れてきた。まあまあうまく進んでいる。いや、思っていたより難しい。
仕事を終えても、今日のやり取りが頭に残る。就任した頃に思い描いていた姿と、今の自分との間を行ったり来たりする。
そんな日々の一場面を、考えてみたいと思います。
迷い、伝え、少しずつ見えてくる景色
「毎日報告してね」と伝えたのに
大切な商談につながる案件を、部下に任せた。
「状況を把握しておきたいので、毎日一度、報告してね」
そう伝えた翌日。
そろそろ報告が来るかな、と待つ。
でも、来ない。
忙しいのかな。
進展がないのかな。
何か困っているのだろうか。
もう少し待とうか。それとも、こちらから聞こうか。
自分の仕事に戻っても、どこかで気になっている。結局、声をかける。
「〇〇さん、あの件、今どんな感じ?」
「まだ先方から返事がなくて、進展はありません」
「そうだったんだ。毎日報告をお願いしていたけれど、どう受け取っていたかな?」
「何か進展があったら報告しようと思っていました」
毎日、と伝えたつもりだった。
でも、部下は「報告するほどのことが起きていない」と考えていた。
聞いてみて初めて、二人の認識の違いが見えてきた。
理由と本音を伝えて、進め方をそろえる
何のために報告してほしいのかを、改めて話す。
「進展がなくても、今どうなっているかは知っておきたいんです。そのまま待つのか、別の働きかけをするのか、次の手を一緒に考えたいので」
上司の事情も、少し言葉にする。
「私もほかの仕事をしているうちに、確認が遅れて、商談のタイミングを逃してしまったらもったいないですよね。
〇〇さんと連携しながら進めたいと思っています」
そして、報告の形を具体的にする。
「毎日16時に、短く共有しましょう。今の状況と、次にすること。困っていることがあれば、それも教えてくださいね」
「『昨日はAさんが不在だったので、今日電話します』くらいでもいいですか?」
「はい、それで大丈夫です。では、その時に、先方の希望時期も聞いておいてもらえますか?」
状況がわかれば、上司からも次の判断や提案を返せる。報告が、二人で進め方を考える時間になる。
もし報告が抜けたら、普段のやり取りの中で、
「今日の共有、まだでしたね。進展がなくても毎日一度、という約束なので、お願いしますね」
と、そのことに絞って伝える。軽い声かけでは重要さが伝わりにくい時には、落ち着いて話す時間を取り、仕事として必要なことを確かめる。
上司も報告を受ける時間をつくり、相談には応じる。
一度伝えて終わりではなく、続けられる形を一緒につくっていく。
目立たないやり取りにも、気持ちを使っている
報告を待つ。
声をかける頃合いを考える。
理由を聞き、伝え直す。
一つひとつは小さく見えても、時間も気持ちも使う仕事です。
こうした確認や調整をしているうちに、自分の仕事がなかなか進まない日もあります。
「任せるって、思ったより難しいな」
その言葉には、仕事を渡すだけでは済まないと知った実感がこもっています。
それでも、やり取りを重ねるうちに、部下の進め方や、迷いやすいところが少しずつ見えてくる。
部下から聞いた方法に、「そのやり方があったか」と気づくこともあります。
「ありがとう。早めに状況がわかって助かった」
そう伝えた翌日、今度は部下から声がかかる。
まだ商談が進んだわけではないけれど、昨日までとは少し違う。
先輩マネージャーが、忙しい中でも声をかけていた理由。すぐに答えを出さず、相手の話を聞いていた理由。
自分がその立場になって、以前は見えなかったものが見え始めます。
ここまでの自分にも、「お疲れさま」
私も、面倒な調整にへこたれそうになる時があります。
そんな時は、
「これがうまく進んだら、気持ちいいだろうな」
「もう少し楽にできる方法はないかな」
と、自分に言葉をかけながら、一つずつ進めています。
人に相談して道が見えたり、ひと息ついてから考えがまとまったりすることもあります。
マネージャー自身も、一人の人。
疲れる日も、言葉に迷う日もあります。
うまくいかなかったことが気になる日にも、聞けた話、確かめたこと、もう一度かけた言葉がある。
目立つ成果になる前の、そうした小さな実践も、この半年の中に積み重なっています。
むすび――旅は、始まったばかり
就任した頃に考えていたこと。
半年たって、見えてきたこと。
今も、まだわからないこと。
その間には、迷いながら考え、目の前の人と向き合ってきた時間があります。
マネージャーも、部下も、一人ひとり違います。その人たちが関わり合ってつくる組織は、唯一無二です。
興味を持って観察し、話を聞き、一ミリずつ試していく。
その積み重ねの先には、自分たちだからこそ見えてくる景色が、きっとあります。
部下を育てながら、自分自身も育てている。
まずは、ここまでの自分に、
「半年間、お疲れさま。いろいろあったけれど、ここまで来た自分に乾杯!」
と、ねぎらってみる。
そして、ここからまた一ミリずつ。
旅は、始まったばかりです。
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